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生後二ヶ月のマアちゃんは手術後すぐにコンタクトレンズをつけて生活しなくてはなりませんでした。「物を見る」環境をつくっておかないと、目が「物を見ようとしなくなる」のだそうです。水晶体に濁りが広がったままの状態もそうですが、手術後に水晶体をとってしまった後も「極度の遠視」という状態だそうですから「物を見る」環境としてはかなり悪い・・・そういった状況が長く続けば弱視になるのだそうです。
手術は早いほうがいい。そして早急にコンタクトレンズで環境を整えてやることが、マアちゃんの今後の視力の伸びを左右するのです。・・・が、コンタクトレンズ・・・生後数ヶ月の赤ちゃんに毎日のつけはずしは当然本人ができるはずもなく、親がすることになります。この特訓を受けました。
最初、先生がやってみせてくれた時には
「え? これ、私がすんの?!」
って思いましたよぉ・・・。左手でマアちゃんのまぶたの上下をググッと開けて右手でレンズをすべりこませる・・・当然、当の本人は泣き叫んでるわけです。
でも、ここでひるんでなんかいられない。マアちゃんを早くこのグルグルから解き放ってあげるためにも(生後二ヶ月とはいえ泣くと手足をバタバタさせるので、病院の処置室によくあるマジックテープの拘束帯でミノムシ状態にされているのです)、そして何より早く手術の日程を決めてもらう為にも、何度も何度もコンタクトの着脱を練習しました。
手術後の目はとても弱くなっていて、黒目の部分を押さえてしまうと失明の危険もあると聞かされました。
「そんな目にコンタクトレンズをはめるなんて・・・素人がしてもいいの?! でも母親だし当然よね、毎朝毎夕コンタクトの着脱に病院に通ってやってもらうなんて不可能なんだし。」
心の中でそんな葛藤を繰り返しながら、汗だくになって練習しました。
私がコンタクトを着脱できなければ、手術をしてもマアちゃんの視力が上がることはなくすべてが無意味に終わってしまうのです。
特訓が終わって部屋を出るときには、マアちゃんの両まぶたはいつも真っ赤にはれあがっていましたっけ。
目をレンズに慣らすために、1時間からはじまり最終的に10時間まで・・・1日1時間ずつ装着時間は増えていきます。
加えて、退院時に渡された目薬4種類。これを先生の支持があるまで一日6回(4時間おき)からはじまり最終的には一日1回のペースでさしていかなくてはいけませんでした。上のお姉ちゃん達の世話をしながら、これを続けていくのにはやはりノートが必要でした。
コンタクトをつけた時間。目薬をさした時間。ノートがないと覚えてられませんでした。
コンタクトの着脱がスムーズにできるようになるまでには、1ヶ月・・・どころか3ヶ月ほどかかったかもしれません。相当の時間がかかりました。
もう死闘といってもいいくらい(^O^)
自慢ではありませんが、病院の特訓では私はかなり「上達が早い」と言われていました。
実際、病院ではそう手間取ることもなく着脱できるようになってもいました。
・・・でも、環境が違うとやはりそうもいかないんですねぇ・・・。
考えてみれば、病院での特訓では看護士さんが一人ついていてくれてマアちゃんを押さえてくれているわけだし、レンズをつけやすいような高さのベッドも、拘束帯も揃っているという環境があったんですものね。
自分一人で、どういった体勢が一番着脱しやすいかを見つけるまで、その死闘は続きました。
最初は片目をはめるのに15分以上かかっていたと思います。両目で計30分ほど。
加えて目薬4種類をさすのにもやはり同じくらいの時間がかかったかも。
本人も大泣きでしたが、私も泣きたかった・・・ていうか、泣いちゃったこともありましたF^_^;
生後3ヶ月から6ヶ月くらいまでの間、私がやっていた着脱法です。
ベビーベッドの片側柵を下ろし、下ろした側に頭がくるように寝かせます。
このとき、大判バスタオルなどで首から下をグルグル巻きにしてやると動きません。
私はベッド脇にひざをついて、マアちゃんの頭の上からのぞくようにして着脱していました。
ポイントは「目をできるだけ大きく開けること」。
ちょうど眉のある位置に骨も山になってあります。その部分に自分の人差し指の第一関節を押しあて、
上に(本人のおでこ側)スライドしつつ指先でまぶたを持ち上げる・・・と、術後の弱い眼球にさわらず
まぶたをあけることができます。あとは中指で下まぶたをあけます。
大きく開いた目にはレンズも乗せやすいです。
だいたいこの方法に慣れたかなあ・・・と思う頃、また次の山場がやってきます。
レンズは片方7000円。両方で14000円。
紛失、破損した場合はその都度注文しなくてはなりません。
病院に連絡すれば、病院からレンズ屋さんに注文してくれて代引きでこちらに届きます。
連絡してから2週間ほどかかります。
もう何枚注文したことか・・・
目をこすったり、転んだりするとポロッと落ちるらしいのです。
落ちたときに本人に何らかの反応があればすぐに気が付くのですが、
なかなかそうもいかない。
気が付いた時には、もう部屋中はいつくばって探すしかないのです。
そうやって運良く見つけても破損していたり、キズが入っていたり・・・。
そのたびに7000円とんでいきます。
コンタクトレンズ破産しそうでした、ホントに。
ちなみに、レンズにキズが入っただけの場合・・・
研磨してもらえば使用可能です。(研磨は無料)
ただし、研磨する分、度数が違ってくるためあくまでもスペアとしてしか使えません。
私とマアちゃんも、試行錯誤の連続でした。
マアちゃんの場合、その抵抗はまさに「まぶた」でした。開けようとしてもギュウウウウッとつぶっているので、まぶたが裏返ってしまうんです。いやあ・・・これでは入れられない・・・。
そこでまず私が試したのは・・・
赤ちゃんって風が顔面にあたるとちょっとびっくりしますよね? それを利用して(?)、目に「ふーーーーーっ」と息を吹きかけるとびっくりしてぱっちり目を開けてくれるんです。その隙に入れてしまうというもの。これはしかしながら一瞬芸です。それに、この「息吹きかけ戦法」にも1週間ほどですぐに慣れちゃって、またもや苦戦。
結局、まぶたと目の隙間に滑り込ませるしかないんです。なんにしてもまぶたが裏返っている状態では入れられないので、何度もトライして裏返ってないときをねらってすべりこませる。文字で書くと簡単ですが、実際は本当に大変な作業ですよ。でも、ここであきらめるわけにはいかないんですもんね。あきらめたら、せっかく手術してもらって見えるようになった目も、見えなくなっちゃうんですもん。まさに「歯を食いしばって」続けていくしかないんです。
小さい頃からコンタクトレンズをはめている子供は、この時期あたりからだんだんと慣れてきます。マアちゃんも泣き叫ぶことがかなり少なくなり、イヤイヤながらもまぶたが裏返ることがなくなった時期がこのあたりだったかと思います。また、「コンタクトをつけてないと、見えない」ということを不満に思い始めるのもこの時期。3歳になるまでには、自分から「コンタクトつけて」と持ってくるようにもなります。
今現在、手元に残っている記録では一番古いもので+37.5のレンズケースがありました。
これがいつごろのものだったのか・・・ちゃんと記録しておけばよかったと後悔しています。
術後すぐにつけたレンズはこれよりもさらに度が高かったかも。
3歳5ヶ月現在では+22.0のレンズをつけています。このレンズで視力を測ったところ、0.5ほど見えていました。
結膜炎などでコンタクトがつけられない等の時用にめがねもつくっています。こちらは+15のものを使っています。06年11月時点での処方箋には矯正視力0.21とありました。これからどんどん度数もかわってくるだろうし、ほとんど毎日コンタクトレンズをしているのですから、めがねはあくまでも補助的にということでこの度数を処方していただいたのだと思います。
ちなみに・・・+22のめがねのレンズがあるのかどうか、個人的にさがしてみたところ・・・
あるのはあるのですが、1枚50000円を超えるということがわかりました。
ごそごそと自分で動き回れるようになる5~6ヶ月ごろからは何かにつけレンズが落ち、そのたびに購入しなければならなかったので家計は火の車!!本当に大変でした。
あまりにも大変なので、病院に「メガネではだめなのか」と聞いてみると、視力向上のためにはメガネよりもコンタクトレンズの方がだんぜん望ましいのだという答えがかえってきました。9歳までの間は、視力を伸ばすのにとても大切な時期なのだとか。それまでは、レンズがどうしても目に合わないというような理由がない限り、コンタクトでがんばってほしいとのことでした。せっかく手術をしてきれいな目になったんですものね。がんばらなければ!!
3歳を過ぎた今、レンズを落とすことも少なくなり、落としたとしてもすぐに言ってくれるようになったのでかなり高い確率で見つけることができるようになりました。
砂埃などが目に入ると痛くて痛くて・・・目は開けられないし涙は止まらないし。
私自身、ハードレンズを使っているので、その痛みはよくわかります。
マアちゃんも海が近いところにすんでいて、強い風が吹く日が多いです。
マアちゃんがまだバギーに乗っている頃は、よくバギー用のレインカバーをかぶせて外出していました。
3歳になった今は、ビューッと強い風が吹くと、私が
「マアちゃん、目つぶって!!」
マアちゃんはぎゅっと目をつぶります。私の服で目を覆ってしのぐこともあります。
長女オオネエ(大きいお姉ちゃん)・・小学1年生
次女チイネエ(小さいお姉ちゃん)・・幼稚園年長さん
三女マアちゃん・・幼稚園年少さん
三人三様、笑って泣いて怒って・・・ドタバタと毎日が過ぎていきます。
このブログでは、三女マアちゃんの先天性白内障、無水晶体眼について記録しています。